「火花」 著:又吉直樹
芥川賞受賞作品「火花」を読みましたので感想をば!
今話題の!という言葉すら滑稽に聞こえるような話題作「火花」
累計発行部数200万部突破って・・・
文藝春秋さんはウハウハでしょうね・・・
さて!読んでの感想ね!
一言で言うと「人間(たぶん)失格」。
そしてエッセイとフィクションのハイブリッド!って感じかなぁ
又吉直樹の処女小説だということだけれど
読んでいて読みにくさだったり、気持ち悪い文章はあまりなかった!
ただ、一文が長いなぁって思うところは多々あったけど!
ま、そんな技術的なところはさておき。
神谷という笑いの「天才」に尊敬の念を抱いている徳永は
漫才師として生きる自分を彼に認めてもらいたい。
でも自分は彼のように決してなれないから、彼を「天才」として尊敬することしかできない。
でも、私はこの「徳永」は「神谷」の生き方を心のどこかで馬鹿にしてるんじゃねって思うんだよなぁ
自分とは違う生き方をしている神谷を深層心理でイラつきながらも滑稽だと思いながら過ごしているように感じてしまった。
「天才」という言葉を「尊敬」という言葉にすり変えて。
徳永はなんだかんだ器用な人間。
笑いに対する自分の美学は持っているものの世間が何を求めているのか理解しているし
それを拒絶してまで自分の美学を通すことが得策ではないことを知っている。
そして引き際も知っている。
対して神谷は不器用な人間
笑いに対する美学とか、「こうあるべき」みたいなややこしい事を口にはするけど
その実、何も考えていない。むしろ「思考」することを恐れているように見える。
そうやって自分の世界を守っている。
私個人、というかむしろ読者のほとんどが徳永に感情移入すると思うんだけど
この神谷って人が現実にいたら、たぶんすごい排除の対象になるんだろうなぁ
でも芸人という名前がつくだけでそれは個性と才能になるんだから
凡人の私にはわからない。
波もなくツイーーーーッと進んだ作品だったけど
最後だけは脳髄をぐるっと掻き回されたような不快感が残った。
それは私が女だからか、リアルにそれを想像してしまったからか・・・。
まぁとっちからかった感想になった!
これを書くのに1週間かかったなんて!
いつもならサラサラ書けるのに何を発散していいのかわからくなった。
以上!