のんべんだらりと生きてこ。

20代女の徒然日記。

「母性」著:湊かなえ

 続きを読みたくない、と思いながらもページを捲る手は進む。

体と脳が乖離していった作品だった。

母性 (新潮文庫)

母性 (新潮文庫)

 

 

 

湊かなえの本は今までに「白ゆき姫殺人事件」と「豆の上で眠る」を読んでいた

前者の方は何も考えずにただ楽しめた作品だったし

後者の方は正直好きではなかった

「好きではない」という言い方にしたのはなんていうか・・・

ハラハラもしなかったし、ドキドキもしなかったし、あえてなのか締まりのない作品なんだなって思ったから

「豆の上で眠る」はそういう風に意図して書いていないだろうから、

「好きではない」という感じかな

 

いや話が逸れたのですが

 

「母性」は衝撃

衝撃なんて言葉で片付けられないぐらい読むのが苦しい作品だった

母と娘、両方に感情移入できてしまうからこそ脳みそが本当に疲れた・・・

疲れて疲れて、もう読みたくない、一旦本を閉じよう!って思うんだけど

「もしかしたらあと10行後には幸せな展開が待っているかもしれない!」なんて

期待を寄せて読み進めてまた後悔する・・・の繰り返し。

 

私はまだ子供がいない。

 

結婚はおろか恋人もいないから別に「当たり前じゃね」って話なんだけど。

あと子供が欲しいと思ったこともない。

周囲の友達は少なからず「結婚したい」の次に「子供が欲しい」って言うけど

「子供が欲しい」ってどういう感覚なのか正直わかんない

「今仕事が楽しいから!」とかそういう月並みな理由だったらまだ言い訳できるんだけど

こればっかりは感覚的な問題だから何も理由とか話せなかった。

 

でもこの「母性」のその答えが書いてあった気がする

 

決して知りたくなかった深層意識の琴線に触れてしまった気がする

母を祖母にしたくない

母は私の母でいて欲しい

でも母にこちらを向いて欲しかった

そういう形を持たない雑多な感情が「本」として具現化してしまったことに

今とても困惑している!!!

 

一つ言えるのは

女はみんながみんな「子供が欲しい」わけではないし「母性」があるわけではない

そんなことは当たり前なんだけど

それがない女は社会から白い目で見られるでしょ?

父親がネグレクトするよりも母親がネグレクトする方が重く報道されるでしょ?

 

「お腹を痛めて産んだ子なのに」

「母親なのに」

「自分の血を分けた分身」

 

そんなの関係ないんだよ

お腹を痛めて産んだのだって、ある人からしたらただの腹痛だし

お腹から生き物が出てきただけでいきなり「母親」ってレッテルがべったりつく

おまけに「血を分けた分身」って・・・

むしろ勝手に私の中の栄養を奪っていってるんじゃない

 

って思う人もいよ!

「母性」なんていう一言で表現できるほど子供ができるって簡単なことじゃない

って考えさせらえたかな

 

もう嫌だ!こんな作品二度と読みたくない!けど!

たぶん本棚の奥のほーーーに置いてしまう

そんな作品でした

 

まとまらないけどまぁいっか